なぜ私は「勉強量を増やせ」と言わないのか

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「勉強量を減らそう」と言われると、
「本当に大丈夫なんだろうか」
「サボっていると思われていないだろうか」
そんな不安が、まず頭に浮かぶと思います。

また、多くの保護者の方は
「じゃあどうすればいいんだ?」
「このまま見守っていて本当にいいのか?」
と思われると思います。

 

確かに、点数を上げるために一番大切なのは、
勉強量を増やすことです。
量稽古から逃げる人には、
教えられることは限られしまうのは事実です。

それに加えて、
勉強量を増やせば「勉強の質」も上がっていきます。
もしかすると、
量を増やせば質が下がると勘違いしている人もいるかもしれませんが、
それは間違いです。

例えば、腕の良い職人さんがなぜ腕が良いかと言えば、
たくさん量を作ってきたからと言えるのではないでしょうか。
失敗を重ねたり、作りたくないと思う日がありながらも、
それでも作り続けてきたからこそ、
腕の良い職人になれたのではないでしょうか。

 

では、そんなに勉強量が大事なのに、
なぜ「勉強量を増やせ」と言わないのか。
理由は3つあります。

(1)  「勉強量を増やせ」と言わない最大の理由は、
「生徒に勉強をしてもらう」ためには、
「自分(大人)が勉強しているところを見せる」
「自分が勉強が楽しいと思っていることが、生徒に伝わる」
ことが大事だと考えているからです。

「勉強しなさい」と言われ続けたのに、
家で勉強している大人の姿を見たことがない。

子供は大人の鏡です。
自分が昔やらなかっただけではなく、
今も嫌だと思っていることを勧めても、
やらないのではないでしょうか?

そんな環境で、子供が勉強を好きになるのは難しいです。
むしろ、勉強が「やらされるもの」になる方が自然です。

(2)  「勉強量を増やせ」と言わない理由の2つ目は、
そう言われると、
「本当は何もしていない」んだけど
「無理やり勉強させられている」という状況になってしまう
ことが多いからです。

「勉強量を増やせ」と言われると、
「とにかく机に向かえばいい」という発想になりがちです。

自習室に行った。
けれど、勉強したくない。
結果として、スマホを触る。

「スマホを預ければいい」という意見もあります。
もちろん、それは一定の効果があります。
問題は、場所や道具ではなく、
「何を意識して勉強しているか」です。

(3)  「勉強量を増やせ」と言わない理由の3つ目は、
「質をないがしろにしない」ためです。
そして、これは「数学」「現代国語」「物理」のような一部の科目に特徴的な理由です。
つまり「英語」「社会」には、あまり関係のない話です。
「いやいや、今しがた、勉強量が増えたら勉強の質が上がる」
と言ったじゃないかという突っ込みが来そうですが、
それとは違うお話です。

結論から言えば、
「量をやれば何とかなる」と言った間違いを避けたいのです。
先の2つの理由とは、次元の違う理由です。
間違えた勉強法のまま勉強量を増やすと
「心が折れる」のです。
「質が低い勉強をしてしまい」
「点数・成績が上がらない」パターンは、
先の2つのパターンに比べると、割合としては少ないです。
なぜなら、このパターンに関係する人たちは、
既に「かなり勉強を頑張っている」からです。

では、なぜ数学・物理・現代国語では勉強量を増やしても
効果が薄いのかと言うと、
これらの科目は、
「構造的な科目」だからです。
これらの科目は
「問題ごと」に「理解する」ことが
原理的にできない(しづらい)科目だからです。

数学や物理、現代国語は、
「問題をたくさん解けば、自然に理解できる」
というタイプの科目ではありません。

地図を持たずに歩き続けても、
目的地に近づいているかどうか分からない。
それに近い性質の科目です。

もう少し噛み砕いて言うと、
「ポイントごと」に「理解する」科目なのです。
そして、その「ポイント」を間違えたまま勉強してしまうと、
いつまでたっても成長しないのです。

思い返してみると、
身に覚えがありませんか?
「数学」「現代国語」って「何を理解」して「何を記憶」すればいいのかよくわからない。
数学や国語のすべての問題で当てはまるわけではないですが、
往々にして、
「問題ごとの理解」というのが、
そもそも「存在しない」というのは、
みなさんの体験と一致するのではないでしょうか。

このような理由から、私(塾長)は「勉強量を増やせ」とは言わないのです。
特に「数学」では言わないのです。

15年間教えてきた経験や、
どのような保護者の方のお子さんが勉強するのかを
観察してきた経験があります。

それらを踏まえて言えるのは、
「勉強量を増やせ」と言われたお子さんは、
勉強をするようにはならないということです。

また、「数学」の勉強法の「特有ルール」を知らないまま勉強してもできるようにならないという寂しいことになるのです。

では、「じゃあ、どうすればいい」のでしょうか。
「勉強量を増やせ」の代わりに、よく言う言葉があります。
「できることから始めよう」
「あと5分勉強しよう」
「再度ポイントを確認しよう」です。

始めの一歩が、一番しんどい。
だから「まず始めよう」と言います。

時間が過ぎただけでは、勉強したことになりません。
だから「あと5分」と言います。

数学では、問題ではなくポイントを確認します。
だから「もう一度ポイントを見直そう」と言います。

 

もし今、
「勉強時間は増やしているのに、成果が出ない」
そう感じているなら、
量の問題ではない可能性があります。

Post by 藤本 真秀

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