中学数学で6割の子が数学難民になります。高校数学では9割以上の子が数学難民になります。それはなぜでしょうか?答えは実に単純です。
それは、それ以前の学習が不完全だからです。数学を勉強する上で最も勘違いしがちなのが「勉強した分だけ点数が取れるようになる」ことです。より厳密に言うなら「8割勉強したら8割得点が取れる」というような勘違いをすることです。
どういうことでしょうか。数学以外の多くの科目では「テスト範囲の8割勉強したら80点取れる」のが当たり前です。そしてその感覚を皆さんもお持ちだと思います。もちろん正解です。
ところが、数学は全く違うのです。数学は「テスト範囲以前の範囲の出来具合」が点数に大きく反映されるのです。例えば「テスト範囲を4割しか勉強していなくてもテスト範囲以前を9割以上勉強していれ」ば「80点くらい」取れるものなんです。一方で「テスト範囲を8割,テスト範囲以前を8割勉強していて」も「60点しか」取れなかったりします。そして、この事実から逃げる人はいつまで経っても数学ができるようになりません。本人も周りも(あるいは一部の先生でさえ)勉強しているのに何で点数が取れないんだろうというジレンマから抜け出せません。よく勉強してないのにできる奴がいますが、そのカラクリは「土台をしっかり勉強している」んです。だから決して勉強していないわけではないんです。
数学は「土台作りの学問」「土台作りがひたすら効果的な家づくり」なんです。「算数はできるけど数学はできない」「計算はできるけど文章題はできない」「今更算数に戻りたくない」という相談を山ほどいただきます。
しかし、実際は「数学ができないのではなく算数ができない」「文章題ができないのではなく計算ができない」んです。この事実を信じるか信じないか、その認識の違いだけで結果は大きく変わります。ですから変なプライドを捨てた子が勝ちます。
点数が上がる子は、(親御さんもお子さんも)数学の勉強法に疎い人に多いです。恐らく全く勉強していなかった?ため、私のやり方を信じてくださるからだと思います。
あと1つ付け加えておきたいのは「戻ったけどできない」パターンです。このご相談も少なからず受けますが、「算数に戻ったはいいけれど昔の間違った方法で勉強して」は同じです。数学の点数を上げるのは、その微妙な感覚が難しいんです。「90点以上取れる数学の勉強」が「80点・60点・40点」という結果になることはあります。しかし「60点取れる勉強」では「30点しか取れない」のが数学です。